製品名 | ドライブシャフトスペーサー |
---|---|
製品コード | 40443-AP1-000 |
対応車種 | AP1・AP2 |
製品価格 | 18,900円(税込) |
オリジナルのドライブシャフトスペーサーです。
現行バージョンは7mm厚になりました。この厚さのもは他では売ってません!(と思います)
フランジ形状に合わせたこだわりの星型形状、
軽量アルミ製、1個約114g(アルマイト処理済)、
スペーサー2個で1セット、純正ロングボルト付き です。
賛否両論あるドライブシャフトスペーサー。
ある人は「ドラシャが外れてしまうので必要だ!」またある人は「無くても問題ない!」
ワシとしても車高が下がる(バンプする)事により下側に来たローラーベアリングはシャフトで外側に引っ張られる方向になり、ローラーベアリング脱落の恐れが考えられる事から「必要派」でした。
が、果たして本当に必要なのか?理論的に必要と考えられても市販されているスペーサーの厚みは適正なのか?
そう言っているウチでも扱っているのにブッチャけ根拠がない!(爆)
第一夜
今回この真相を調べる事になってしまった?S2000オーナーのスリッパ号。
本来は定期点検的な作業で単純にドライブシャフトのグリス交換という事で約3年間(爆)入れっぱなしのWAKOSのグリス採取(劣化状況などを調べてもらう為)をかねて行ったのが事の発端。
ブーツを外しグリースを除去。そして分解。
グリスの状態は思っていたよりもいい!ってかかなりいい!!
とあるメーカーのグリスは油分を失いバサバサで固形?グリスが固まって手で取れるような状態であったのに対し、WAKOSのグリスは生クリームのようなトロ~っとした状態で間違いなくベアリングに絡んでいる状態。
これならばワシ的に意図したグリスなのでOK!あとはグリスの検証結果で判断やな!
と、思いながら古いグリスをウエスで拭っていると・・・んっ?
なんじゃこりゃ!
インボードケース内側(ローラーベアリングのガイド部分)に打痕が!
しかもハンマーで叩いた様な感じで潰れているではないか!
なんじゃ!?
この事実判明をスリッパさんに報告すると共にこのドライブシャフトスペーサーの関与が浮き彫りになってくる・・・
つまりドライブシャフトスペーサーを装着する事で、確かにインボードジョイントのローラーベアリングはスペーサー分中に入ることになり脱落する事は無くなるのは理論的にも間違いないでしょうが、開口部は変わらないためローラーベアリングが奥に入るとシャフトの振れる幅は狭くなってしまう訳ね。
車高が下がる(バンプする)とキャンバーがつく。=ジョイントとシャフトの角度が大きくなる。
車高が下がる(バンプする)と下側に来たローラーベアリングは外に引っぱられる。=ローラーベアリングの移動距離が長くなる。
すなわち、インボードジョイント・シャフト・アウトボードジョイントが水平(一直線上)になっていればローラーベアリングはスライドする事無くその場でとどまるだけなのですが、インボードジョイントとシャフトに角度が付けば付くほどローラーベアリングのスライド量が増える訳です。
当然ほとんどのS2000は1G状態でもドライブシャフトはバンザイ状態。
スリッパ号はジャッキアップしてもバンザイ状態。
せやから接地したらモットバンザイ状態。
バンプしたらモットもバンザイ状態。
縁石乗ったらとってもバンザイ状態。
この様な事実関係から推測するに、ドライブシャフトスペーサーを装着していた事によりシャフトの振れ幅が狭まり結果としてシャフトがインボードジョイントのケース内側に干渉。結果打痕となっているのでは?と言うこと。
しばらくしてスリッパさんからの情報が入る。
ネットオークションで出品されているドライブシャフトスペーサーに「実際に検証した結果適正厚が13mm~15mmらしい」と言う情報が入る。
13mm!?!?!?!?
スリッパさんが使用していたスペーサーは某社製で厚みは10mm。
この10mmスペーサで干渉したのが原因と仮定していたのに13mm~15mmが適正厚となれば先に考えていた推測は間違いとなってしまう。
嘘だろ~
もし13mmも中に入ってしまっていたら打痕じゃすまんで!確実に破壊やろ!
どうしても納得できない!
と、いう訳で・・・
あえてグリスを綺麗に拭ってブーツ無し状態でドライブシャフトを組み上げ、実際にスリッパ号に装着してみました。(ブーツが無いとジョイントがクネクネしてしまい装着が結構大変!汗)
で、ダンパー・スタビを外しロアアームにジャッキをかけ1G状態を想定したインボードジョイントの状況(フェンダーアーチからハブセンターまでの距離が約30cm←ちょうどタイヤがフェンダーに隠れるくらい)と、縁石メガヒット状態(17インチホイールがフェンダーに隠れるくらい)←約24cmを再現する事にしました。
果たしてその結果は!?
そしてドライブシャフトスペーサーは必要なのか!?
次回その真意が明らかにされる!!
第2夜
さてさて、今回からいよいよブーツの中で実際には見ることの出来ないインボードベアリングの動きを小出しで明らかにしていきましょう!(笑)
ドライブシャフトスペーサーは必要なのか?
個人的には必要と感じていただけに実態が明らかになるのが微妙に怖いのですが検証してみました。
尚、検証はシャフトの短い左側。
まずは1G状態を再現する為見慣れたスリッパ号のリアタイヤとフェンダーアーチとの隙間に合わす事にします。
普段この車の車高(1G状態)はフェンダーにタイヤが微妙に隠れている感じ。
と、いう訳でタイヤ外形をメジャーでザックリ計ってみます。
まっ、ご存知とお思いでしょうが630mm程度。
そんな訳でフェンダーアーチからハブセンターまで300mm程度になるようにロアアームをジャッキで持ち上げドライブシャフトスペーサーが無い場合と装着した場合で比較してみました。
まずはスペーサーなしの状態(写真1枚目)
下側に来たローラーベアリングはインボードジョイントのボディー端まで来ている事が判明。
正直言うと真下から見上げるとインボードジョイントのボディー端からローラーベアリングの端が見える状態でした(ちょうど"日の出"のような感じ。)。
まっ、確かに露出してしまっているものの実際にはローラーベアリングとボディーの接点は内側になる訳ですからこの時点での脱落は無いわけですね。と、言っても非常に厳しい!!
ちょっとしたタイミング(回転する事による捩れ)でカジリそうですね~!
そしてスペーサー装着した場合の状態(写真2枚目)
見事にスペーサーの厚み分だけ中に入っていますね~
これならばかなり安心感があります。
が!
ベアリング上側!
そう、前回疑問視していたシャフトととのクリアランスがかなり微妙な位置まで来ていることが判明!(写真3枚目)
現実問題としてはフェンダーアーチからハブセンターまでの距離が300mm程度では干渉は無いのは間違いなし。
しかしこの状態からバンプする事でシャフトがいずれ干渉する事も間違いなし!
では実走行で考えられるバンプ状態ではどうなるのか?
んでもってシャフトが干渉するのは果たしてどの程度までバンプするとおこるのか!?
詳細は第3夜で明らかになる!
第3夜
まずは、写真1枚目
このカットはチューニングガレージオレンジボール広報部スチル写真課デジ担当兼ゴルフ部部長のOch提供の1枚。
撮影は去年の01GP日光ラウンド。
今まさに4コーナーを立ち上がろうとするスリッパ号。
この瞬間の左リアを見ると(チト分かりづらいか?)ホイール付近までフェンダーに隠れるくらいバンプしているのがわかると思います。
と、言うわけで推測なのですが、おそらくリムからタイヤ1cmくらいまで隠れてるとすると、その時のインボードは写真2枚目のようになっていたと思われます。
アングル的に見づらいかもしれませんが(ピンがこないし、暗いし、狭いし・・・ファインダー覗いて撮れないんよ!)いいとこ?来てますよね~!
干渉はしていないものの、この状態で仮に脱輪したり、縁石ダイブしたらカツッ!と逝きそう・・・
まっ、現実問題として実際にドツイている訳やから間違いなくどこかでやらかしたんであろう(笑)
んでもって、もしこの時に10mmのドライブシャフトスペーサーが装着していなかったとするなら(要するにnakano号・爆)おそらく写真3枚目のようになっていたと思われます。
どちらの写真も肝心なところがよく分からないのですが、(頑張って画像補正しています)無ければ無いでローラーベアリングの位置が気になりますよね!
この最下点にあるローラーベアリングは半周後の最上点に移動するわずかな間にスライドするわけですからね!
当然この時にはシャフトの回転方向にトラクションという大きな力が加わっている事を考えれば出来るだけローラーベアリングはドライブシャフトスペーサー装着時のように内側にいた方が気持ちは安心ですよね!
せやけど、シャフトの位置関係(角度大によるクリアランス)で考えると無いほうが安心ですよね!
さて困った!
あなたならどうします?
私ならこうします!
どうするかは次回!(爆)
最終夜
長いこと引っ張りまくった連載も(爆)いよいよ今夜が最終夜!!
引くに引けない状況を自ら作り出してしまった事を微妙に後悔しつつ変なプレッシャーから開放されるのねん!
だいたいワシにこんな日記は無理やっちゅうねん!
さて、最終的にどう結論を出すか?
要は何ミリが適正?なのかを導き出せば良い訳よね!
と、言う訳で取り合えず厚さ1.5mmの平ワッシャーを重ねまくって検証してみることにしました。
状況設定は10mmスペーサー装着状態でシャフトが完璧に干渉するまでロアアームを持ち上げ、その時のフェンダーとハブセンターまでの距離としました。
この距離230mm。
実走行としては17インチホイールが10~15mm程度フェンダーに隠れる状態。かなりのバンプ状態ですな。
まっ、日光4コーナーの写真を見た限りスリッパさんの車であれば十分考えられる領域。(縁石ジャーンプ!みたいな・・・)
1枚1枚入れていった結果4枚(6mm)が妥当と判明(5枚だとカスル感じ)。
つまり、スリッパさんの足回りにドライブシャフトスペーサーを装着するのであれば6mmが適正厚と言う事です。
と、言う訳で早速この10mmドライブシャフトスペーサーを4mm削る事にしました。
ここで頼りになるのがぶん蔵さん!
お願い電話をするものの「無理!」冷たい・・・忙しいらしい!
実際のやりとりはちゃうけど!(爆)
仕方なく某技術大学講師のお客様に無理言って依頼。
「取り合えず精度は別にして削るだけなら旋盤で削れるよ!」
と言う事だったので早速依頼。
やはりこの状態からでは平行度の誤差が大きくなるみたい。。。
まっ、今回は実験やし、目で見て分かるくらいの誤差で無い限り大丈夫でしょう!(爆)
そして先日到着。
見た感じはOKOK!
そして今日装着。
ドラシャも新品加工品を装着。
これでやっとスリッパ号のメンテも無事終了。(よかったよかった。)
尚、今回の6mmスペーサーはぶん蔵さんのご好意によりオレンジボール仕様として新たに製作して頂けることになりました。しかもお値段据え置き!(ぶん蔵さんありがとぉ~!感謝)
そうそう!ここで勘違いしてほしくないのが、あくまでも「スリッパさんの足回りの場合」と言う事。
S2000全ての車輌ではない!っちゅう事。
これはバンプストロークが大きく関係するからです。
このバンプストロークは車重やバネレート、ダンパーの減衰特性、ホイールオフセット変更(トレッド)によるレバー比などあります。
ちなみにスリッパ号はフェンダー限界までトレッド(ホイールオフセット)を広げている事でレバー比が量産車とは異なっていますし、アーム類は全てピロボールを使用しています。尚、トーコンアーム、ロアアームはイケヤさん、アッパーアームは純正にクスコのピロボール。バネレートは22kg/mm。
同じ車高であってもバネレートが違っていればストローク量も違うでしょうし、ダンパーのストロークスピードでも違うでしょうね。あとピロでなくブッシュだったりすれば当然アームストローク限界があるのでそこまで動かないかもしれませんよね。(ゴムがねじ切れてしまったら別ね!)強化ブッシュみたいに硬いゴムであれば純正よりもアームは動かない(動けない)でしょう。
結論として、装着するかしないか?装着したほうが良いのか、必要ないか?はその車の足回りで判断するべきと言う事です。
と、言ってもこれではまた突っ込まれそうなのであえて言うならば・・・6mmか?(爆)
いやいやいやいや!ホンマこうしか言えんわ!
事実を元に検証した結果の判断やからな・・・(マジ悩)
とら♪さんとも電話で何度も話していたけど、「結局保険的なパーツであり、サスペンションを開発したメーカーがどの程度の車高を基準とし、その時のストロークをどの程度考えているかが、必要か必要でないかを判断すべきである。」と、言う事。
ユーザーがメーカー設定以上に車高を下げてしまっているのであれば、当然その時はユーザーの問題であり、当然その時は何らかのリスクを背負う事になる訳です。
そのリスクの一つがこのドライブシャフトでありそのリスクの保険としてスペーサーを使用すると自分に言い聞かせるしか無い訳です。(無理やり)
と、言う訳で、そもそも製品の目的はローラーベアリングをインボード内部に出来るだけ入れるスペーサーである事と、10mmの現行品の対策・改良品と言う事。さらに今後はデフキャリア搭載位置を変更させるパーツ開発を予定している事より、多少の干渉が出る事を覚悟してもらい7mmと致しました。
もちろん、入れていた事で壊れてしまうかもしれませんし、入れなかった事で壊れてしまうかもしれません。
要するに「運」です。
いずれにしても、それなりの走行をしていればいつかはドラシャ壊れますから!(爆)
最後に「ドラシャ保護?の為にスペーサーを使用する」と言う事は対策なのか?
一連の検証と作業を終えて疑問が残る・・・
「対策」とするなら
デフキャリアそのものを持ち上げる(キャリアを吊っているスティフナを作る)のが「本来の対策」では無いだろうか?
デフキャリアとフロアーのクリアランスはハッキリとは確認できないが恐らく10mm以上はあると思われます。
もし、実現が可能であるならばフロアーに熱対策用の遮熱テープでも貼って5mmでも持ち上げられればシャフトの角度はかなり緩やかな感じになります。おまけにぺラシャの角度も浅くなります。
この状態で初めてドライブシャフトスペーサーが本領を発揮するのではないでしょうか。
チューニング ガレージ オレンジボール
〒354-0021 埼玉県富士見市鶴馬3229
TEL:049-268-0200 FAX:049-268-0201
MAIL:info@orangeball.jp
営業時間:10:00 ~ 19:00
定休日:不定休
※車検やサーキット出向で不在もあるため、事前にご予約ください。